昨日は休日を利用して犬島の近代化産業遺産を視察してきました。
100年前に建設された銅の精錬所。銅価格の暴落により僅か10年で閉鎖され今日に至ります。
この朽ち果てるだけの産業遺産をコンバージョンして芸術的なエッセンスを加えて観光名所として再生するというプロジェクト。
果たしてどんなものか興味津々で向かいました。
平日だというのに定員60名の渡し船は満員状態。
客層は年配のご夫婦に大学生らしき男子、男性ひとり、女性二人連れ、女性ひとりとまちまちですが、家族連れはさすがに少なかったですね。
皆デジイチやコンデジを携え、熱心に撮影してました。
この日はとても天気が良く、35℃を超える暑さでしたが、海から常に心地よい風が吹いてて比較的過ごしやすかったです。
別荘を持つなら山の中派なんですが、これほどまで気持ちいいと海辺の別荘も捨てたもんじゃないですね。
ま、そんなもん持てませんけど。
話を戻して、近代建築であるチケットセンターに続く西洋庭園風の広場、その行き止まりの鉄格子から奥が精錬所跡です。
一面にレンガらしきブロックが敷き詰められてますが、ブロックの中は空洞です。
金属的な鈍い輝きを放ってるのは銅精錬と何か関係があるのかな。
そのブロックで仕切られた大きな壁が整然と並び、ここが何かの部屋であったことが伺えます。
中央は精錬所の建物。
奥に見えるのは煙突はあちこちに何本も建っており、銅鉱石を溶かす窯が複数あっただと思われます。
銅の精錬のプロセスや、当時の写真、部屋の用途、何故廃れどのような過程を経て再生されたのか、そう云った説明が全く無いので想像を巡らすしかないのですが、ここを訪れた人に何かを感じ、考えさせることが目的であれば成功してると云えます。
個人的にはそう云った知識欲を満たしたい人(私を含め)も訪れている筈なので、もう少しバックアップするものがあっても良かったんじゃないかと思いました。
ジブリの「天空の城ラピュタ」が頭に浮かんできます。
こちらは発電所跡。
この後、町を散策しましたが、地元の住民の方とは殆どお会い出来なかったのが残念でした。皆何処かに出てたのかな。
犬島はとても美しい島でした。
古い街並みに近代的な建物が溶け込んで、退廃と再興の見事なコントラストを織り成してそこに存在してました。
チケットセンターで提供されるランチメニューは、地元の食材を使い地元の住民が考案したお弁当やサンドイッチです。
このプロジェクトが地域活性化の一翼を担っていることは確かだと思いますが、一方で真に地元に根付いて子から孫へ文化として継承されて行くのか?
もう少し永い目で見守って行かなければなりませんね。