先日、とある売り工場の案件で売り主側の不動産会社の社長とお会いしたときの事。
名刺交換した際に当社の免許証番号を見て、「何年やってるの?」という話になりました。
宅地建物取引業者の免許証番号には、免許地・ (更新回数) ・免許番号 が記載されており、当社の場合は 広島(1) 第9885号 となっております。
宅建免許は5年間有効。従って、この( )内の数字で社歴の見当が付く訳です。
当社はこの8月で有効期限満了を迎え、既に更新申請を終えてるのでもうすぐ(2)になるのですが、創業したての(1)と更新間近の(1)では4~5年の開きがあるのでそう聞いたのでしょう。
「もうじき更新して(2)になります。」と応えると、「もうベテランですね。」と仰います。
いやいや、まだまだひよっこですし、他業界からの転職なのでまだまだ判らない慣習慣例も多いと応えたところ、「あまり長く居て染まらない方が良い。この業界は常識では考えられない人たちが多過ぎる。」とポツリと仰いました。
確かに、お願いした事をひとつも実行してなかったり、折り返しの電話が掛かって来ない、物件の問い合わせをすると「今日申し込みが入りました」とか「今商談中でして」とか言って平気で何日もサイトに掲載している等は日常茶飯事。忙し過ぎるて忘れてるのか故意(ならば法律違反です)なのか、何れにしても責任感というものが欠如している人が多いなと言うのが率直な印象です。
また、業者間情報共有サイトに物件の詳細情報を、それも間取図や外観写真すら掲載していない業者はゴロゴロ居ます。オーナーの立場に立ち本気で客付けする気があるのなら、詳細な物件情報を掲載して業者間で共有すべき。
恐らく、そう言った類の人種の頭の中には、オーナー>顧客>自社>業者という図式があるのではと訝ってます。
実際の利害関係はもっと複雑に絡み合ってるので単純化するのは難しいものの、ビジネス上の立ち位置としては、オーナー=自社 ( 業者)<顧客という図式になるのではないかと思ってます。
オーナーと自社はパートナーとして対等な立場で双方の利益を最大化させつつ如何に顧客満足度を上げるかを共に考えるべきであり、業者は顧客との接点を持つパートナーとして協調して活動すべきではないか。
或いは、オーナー=自社<―>業者=顧客 という図式。
オーナーと顧客は利害関係にあるので、双方の代理人としてエージェントを選定し利益相反の無いように正しい不動産取引を行うのがアメリカ式スタイル。各々の不動産業者はセラーズエージェントとバイヤーズエージェントと呼ばれます。
何れにしても、自社から見た業者は、自分より立場の低いものでは無く、戦略的パートナー又は交渉相手の何れかの筈です。
業界が変われば、前者はメーカー(オーナー)と商社(自社)とリセラー(業者)と顧客、後者はメーカー(オーナー)とリセラー(自社)とコンサル(業者)と顧客といった関係性ですよね。
ここで疑問が出てきます。
メーカー(オーナー)と顧客が直接取引すれば仲介手数料も要らないし直接交渉出来るので話も早いということになりはしないかと。所謂中抜き。
確かにその通りかもしれませんが、圧倒的多数のメーカー(オーナー)は超零細企業(個人)であり、情報発信力や顧客対応力を殆ど有しないという事実がございます。
これらを束ねる商社やリセラーは必要ですし、顧客もひとつひとつ物件を訪ねて回るなんて時間と労力がいくらあっても足りないでしょう。
ここに不動産仲介会社の存在意義があると思うのです。但し、単に情報をやり取りするだけではなく、如何に物件に付加価値を付けるか、顧客の満足度を向上させるかを常に意識していなければなりせん。
愚痴っぽく内容も支離滅裂になってしまいましたが、悪い慣習に染まることなく次の5年を生き抜いていこうと改めて思いました。