少し前に、とある企業が立ち上げた不動産業者専用サイトのトライアル契約を結びました。
物件の基本情報(所在地、間取り、設備、家賃、敷金、礼金、入居時期等々)はもとより、手数料配分、鍵の在り処、暗証番号に至るまで網羅されており、これはもしかして使えるかも知れないと思ったので。
通常、物件を管理している管理会社は定期的に空室リストを客付会社に送付してお客様の紹介を依頼しているのですが、こうしたリストは良くてEXCELで一般的にはFAXが主流。それも週イチ~のアップデートなので空室確認は都度電話で問い合わせることがしばしば。
管理会社としてはそんな問い合わせにいちいち対応しなければならないし、ご案内の際には鍵の受け渡しやキーボックスの暗証番号を伝えたりと、決して生産的とは言えない業務に忙殺されて一日が終わってしまう事もあるとか。
そうした管理会社の負担軽減と客付会社の正確且つ最新の情報入手を目的として作られた当サイトは、上記データをリアルタイムで更新するため物件の商談状況、成約状況、値下げ情報、案内情報を即座に把握できると言う触れ込み。
管理会社はこのサイトに掲載した自社物件情報をメンテナンスしさえすれば煩わしい客付会社対応が大幅に減少し本来の管理業務に専念できる。
客付会社はこのサイトを確認しさえすればリアルタイムに物件の状況が把握でき、管理会社が休みの日でもお客様を案内出来る。
確かにその通りで素晴らしい。さてさて、その実態や如何に。
2週間ほど使ってみましたが、データの抜けが多いんですよね。そこで電話で問い合わせると、「???あーはいはい、その物件はもう無いです。」・・・
結局、幾ら素晴らしいシステムを作り上げても、運用するのはヒト。高い意識を以って継続して情報鮮度を保つ努力をしなければ何にもなりません。
何となくそんな気がしていたので、このシステムを売り込みに来社された代表者にこう言いました。
貴社が物件情報を精査して鮮度を担保するなら価値がある。それが無理なら管理会社の意識を高めるよう徹底的に指導すべき。と。
不動産業は情報産業ですが肝心の情報流通が上手く行っていない事は皆感じているのですが、当社を含めごまんとある小さな不動産屋が同じ意識レベルを以って情報を流通させるのは根本的に無理があります。
問い合わせると成約済みといったケースが続いたのでちょっと愚痴っぽくなってしまいました。