iPadを使い始めて数日。DropboxとEvernoteの使い分けに付いてTweetしたらILMというキーワードが返ってきました。
情報というものは、生成されてから消去されるまでの間、その鮮度・価値・アクセス頻度は刻々と変化します。
例えば物件データ。
システムにデータを入力後、ウェブサイトにアップロードした瞬間が最も鮮度が高い状態。
「新着物件」と表示されることからお客様のアクセスも多いはずです。
その後しばらくすると新着物件のタグが外れ、一般の公開物件となります。
そうなれば鮮度が落ちた状態でアクセスも減り、その物件情報が欲しい方以外にとっては無価値な情報となります。
そして物件が成約すればサーバ上から削除され、数年後に部屋が空けばまたアップロードされるといったライフサイクルを刻みます。
さて、このように常にステイタスが変化する情報を同じサーバ上(実際にはストレージ内)に保存しておくのは如何なものかという議論が数年前に提起されました。
そこで出てきたのが、鮮度が高くアクセスの多い状態の情報はより素早く取り出せるようにし、鮮度が落ちてアクセスが少なくなった情報は遅くても安い格納庫に保管すれば、一定のサービスレベルを保ちつつコストを抑えて情報管理ができるといった概念。これを情報ライフサイクル管理と言います(勿論保護レベルの階層もありますが、ややこしくなるのでここでは割愛します)。
ITベンダー毎にその呼び方は様々ですが、一般的にはILM(Information Life Managemento)と呼ばれてますね。
ILMは企業向けのソリューションであったものが、DropboxとEvernoteにより我々一般消費者でも利用出来るようになってきました。それもクラウド上で!
厳密に言うと、情報がどこに保管されているのかを管理者が意識すること無くシステム上でシームレスに移動させる事ができなければその価値はありませんが、我々が使えるILMはまだ手動レベル。
それでも、頻繁に使うデータはPC内に格納し、たまに参照するデータはDropboxに放りこみ、いつ見るか分からないけれども長期的に保管しておきたいデータはタグをつけてEvernoteに覚えておいてもらうというふうに使い分ければとっても便利なことが判ってきました。
そしてその情報は、オンラインでいつでもどこでも何ででも取り出せるということが素晴らしいじゃないですか。
もっともっと使いこなして完全ペーパーレスな不動産屋になろうっと。
と思うものの、業者間の情報のやり取りっていまだにFaxが90%以上というのが現実なんですね。