法人と個人

先日大阪に出張して参りました。

主な目的は落札した車両の引き取りですが、折角なので以前ガレージングエキスポにて見掛けた物件の視察も兼ねて。

車の引き取りは午後3時。昼前に到着して3時間を視察に充てました。

必然的に現地での移動は電車&徒歩でして、駅から少し離れている物件を炎天下ずっと歩いて視て回りました。

物件は2階建てのテラスハウス風で、1階がガレージ+2階が部屋となったメゾネットタイプ。

但し2Fはあくまでもフリースペースであり、水周りが無い(一部の物件にはミニミニシンクとトイレ有り。基本は共同トイレ、共同シンク)ために住む事は出来ません。

コンセプトは、ガレージ以上ガレージハウス未満。週末ガレージライフ派向けのオトナの秘密基地なんでしょう。

気になるのはその賃料。

何とその額70,000~90,000円/月 !!!

住めないガレージにですよ、そんなに払えますか?

う~ん、奥さんに内緒でフェラーリ買っちゃったけど置くとこどーする? みたいな金持ちオヤジをターゲットにしているのかなぁと想いを巡らせててハタと気付きました。

ポストに表札。表札には会社名が書かれてます。

なるほど、企業が倉庫兼事務所として活用している訳ですね。

所帯の小さな会社が本社として使ったり、或いはそれなりの規模の企業でもサテライト倉庫兼オフィスとして使う分には寧ろ安いんじゃないでしょうか。

実際、廿日市のHobbyHouse桜尾も倉庫としてご利用頂くケースがあり、その適度なサイズと適度な賃料がスタートアップしたばかりの会社に、或いは小規模で事業を営む会社にマッチすると言うお話をよく伺います。

この事業を運営している会社は、東京と大阪でそれぞれガレージ+αな物件を複数種類展開してますが、何れの物件もほぼ満室です。ユニークな事業に特化してブランド化が成功している好事例ですね。

翻って広島ではどうか。確かに経験的に倉庫兼オフィス需要は有りそうですし、法人向けだと賃料も比較的高めに設定できるためビジネスとしての旨みは有るでしょう。

しかし、どこか違和感があるのです。

当社が思い描くのは、この様な賃貸ガレージや賃貸ガレージハウス内で自然発生的に利用者同士のコミュニティが形成され、より充実した、良質なガレージライフを皆が楽しめる様になること。

その様な施設の大部分の入居者が法人となると、ちょっと方向性が違ってきますよね。

施設の稼働率という観点から見ると、平日日中利用の法人と、夜間休日利用の個人とで施設をシェアすることでピーク時の混雑を緩和できるという考え方もあるでしょう。

しかしそれは当社が手掛けるべきものなのか? 土地オーナーに積極的に提案すべきものなのか?

ガレージングデイズは、より多くの車・バイク趣味人にガレージライフを手軽に楽しんで頂ける様、ガレージや賃貸ガレージハウスを広島で提供したいと考えて設立した会社です。

あくまでもターゲットは個人。趣味の空間としての利用を想定し、それに見合う賃料を設定したいと考えてます。

勿論、ご利用形態をご選択されるのはお客様ですので、こちらから押し付ける訳ではありませんし、法人需要を拒むつもりもありません。

実際、ビジネスの拠点や倉庫として使いつつも趣味の空間としてもご活用頂いている方もいらっしゃいます。敢えて線引きをする必要も無いと考えておりますが、やはり少しでも遊び心をご理解頂ける方に使って頂きたいものです。

ビジネスマン・経営者としては落第なんでしょうが、この軸はブレずに行きたいと考えてます。